『これから営業をやるかも知れないので、営業の歴史を知りたい』
『営業やってるので、ざっくりその歴史を把握しておきたい』
こんなご要望にお答えします。ただ、おそらくココ以外では、なかなか聞けない内容です。
こんにちは!売り込まない営業で2年連続2億円の売上を達成した ぐり (@guri_makenai) です^ ^
なんとなく営業の歴史に興味を持ったあなたは、実は目の付け所が良いです!営業のセンスがあるかも知れません。
というのも、営業の世界では、最低限の営業の歴史を知らないと、営業で失敗する可能性が高くなるからです。
『愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ』
この言葉にあるように、失敗してしまう原因は、時代の流れに沿わない営業スタイルで営業してしまうことです。
この辺りを、あなたが営業で失敗しないために必要な限度で解説していきたいと思います。
目次
日本の営業の歴史は?
日本の営業の歴史には、
- 御用聞き営業→インサイト営業(顧客の潜在ニーズを探り出し、問題の本質的な解決を提案する営業)
- 売り込む営業→売り込まない営業
という大まかな営業スタイルの移り変わりがあります。
そして、営業スタイルの変遷の主な原因が、
- インターネットの普及による『情報の非対称性』の変化
- 需要と供給のバランスの変化
の2つの時代背景です。
以下、時代背景をざっくりと拾ってから、営業スタイルの変遷の話をします。
営業スタイルの変遷の主な原因となった時代背景とは?
営業スタイルの変遷の原因となった時代背景とは、
- インターネットの普及による『情報の非対称性』の変化
- 需要と供給のバランスの変化
2つです。
インターネットの普及による『情報の非対称性』の変化
情報の非対称性があった時代から、それがインターネットの普及により徐々に薄れていく時代に変化してきています。
情報の非対称性とは、売る側と買う側との間に情報格差があることを意味します。
基本的には、商品を売る側は、その商品に関して専門知識を持っているので、その商品に関してはプロの立場にあると言えます。
逆に、買う側は、プロである売る側と比べると、専門知識が少ないか、持っていないのが普通です。つまり、素人であることが多いです。
インターネットがまだ普及していない時代では、買う側が『良い買い物をしよう』としても、現在のようにネット検索することはできず、売る側から得られる情報を頼りに買うのが普通でした。
これが、情報の非対称性がある状態です。
買う側としては、売る側から提示された商品以外には、ほぼ選択肢がありませんでした。
ところが、インターネットの登場により、徐々に状況が変わっていきます。
買い物をする際には、ネット検索で欲しい商品を探せるようになり、商品に関する知識もネットで探せばいくらでも手に入る状態となったのです。
そうすると、ネットがまだ普及していなかった時代と比べて、情報の非対称性が徐々に薄まっていきます。
そして、この状況に拍車を掛けたのが、iPhoneなどのスマートフォンの普及です。
いつでも、どこでも、ネット上の膨大な情報に簡単にアクセスできる時代になりました。
ネットが普及する前の時代に比べて、買う側が事前に得られる情報や選択肢が膨大な量に増えたのです。
需要と供給のバランスの変化
モノやサービスの需給バランスが、『需要>供給』(需要過多)から『需要<供給』(供給過多)へと変化してきています。
第2次世界大戦後の日本は、物資が不足している状態にありました。国民全員が生活していくほどの十分な物資がなかったのです。
着る服や食べる物、住む家もままならないといった状態です。
大戦直後の時代に生きていたわけではないので正確にはわかりませんが、現在の生活と比べれば、その豊かさが全く違うことは簡単に想像できます。
モノが少ないため、様々な需要がありながらも、供給が追いつかない、といった状況です。
式で表すと、『需要>>>供給』の状態でした。
ただ、ご存知の通り、その後日本経済は、目覚ましい発展を遂げます。
需要があるのであれば、それを満たせば良いのです。
そこで、日本では、工場や機械など、供給に必要な設備がどんどん作られて、供給が増えていきました。
これに伴って、需給バランスは、徐々に均衡していきます。
最初は『需要>>>供給』だったバランスが、『需要≒供給』へと移り変わっていったのです。
日本は、発展途上国から先進国へと発展していきました。
ところが、今度はモノの供給が多くなりすぎたために、『モノ余り』の時代が到来します。
モノの需給バランスが『需要>供給』から『需要<供給』へと逆転したのです。
それとともに、サービス産業(いわゆる第三次産業)が頭角を現します。
金融、卸売、運輸、通信などの分野がそうです。
ただ、サービスに関しても、『需要>供給』から『需要<供給』へと需給バランスがシフトしていきます。
現在では、モノやサービスのどちらについても、『需要<供給』の状態、つまり供給過多の時代になっていると言えます。
営業スタイルの変遷とは?
営業スタイルの変遷は、時代背景の移り変わりとともに、
- 御用聞き営業→インサイト営業
- 売り込む営業→売り込まない営業
の流れになっています。
関連記事:営業スタイルの変遷
この記事では、細かい部分には触れません。
御用聞き営業→インサイト営業
昔の営業は、顧客の元に訪問して、『何か御用はありませんか?』と聞いて回っていました。
『私から何か買ってくれませんか?』と聞いて回って売っていたのです。これを御用聞き営業と言います。
昔はこれでも売れていたのです(笑)
まぁ、今でも既存顧客であなたのファンになっている顧客であれば、売れることも中にはあるでしょう。でも、そんなのはごく一部です。
なぜ、昔は御用聞き営業で売れていたか?というと、
- ネットが普及していなかったため、情報の非対称性により、買う側は、売る側が持っている情報と商品に依存するしかなかった
- 需給バランスが『需要>供給』の需要過多だったため、買わない理由がなかった
からです。
しかし、情報の非対称性が薄まり、需給バランスが逆転した現在では、御用聞き営業だけでは、到底、満足の行く結果は得られません。
現在では、顧客のニーズに合致した商品、しかも既に顕在化しているニーズだけではなく、潜在的なニーズをも探り当て、そのニーズに合う商品を提案する営業へと移り変わりつつあります。
顧客の潜在ニーズに合う商品を提案する営業のことを、インサイト営業と言います。
インサイト営業は、営業スタイルの中でも難易度の高い、言ってみればレベルの高い営業です。
というのも、顧客の潜在ニーズを把握するには、顧客に対する事前の入念な調査(リサーチ)と顧客との濃いコミュニケーションなどが必要となってくるからです。
このレベルでは、『営業』に捉われず、ビジネス全般に関する幅広い知識を身に付ける必要があります。当然ながら、学ぶ量は、他の営業スタイルよりも多いです。
一方で、自主的にここまでやる営業はほんの一握りしかいないので、ここまでできれば、他の営業を圧倒できます。
あなたの労働市場での価値は、格段に上がるでしょう
(なお、ここまで来ると、自分で起業した方がリターンが高い可能性があるので、雇われか?起業家か?も視野に入ってくる。雇われレベルでは、間違いなく、生き残る営業です)。
売り込む営業→売り込まない営業
需要過多でネットが普及していない時代では、見込み客の元へ商品を持っていくだけでも売れてしまいます。
しかし、需給バランスが供給過多の方に傾くと、だんだん商品が売れない時代へと突入していきます。
『最近、商品が売れにくくなった。これはマズイ』
と考えた昔の営業の人たちは、売れにくくなった分をカバーするために、商品を売り込んだり、見込み客を言いくるめたり、いかに説き伏せるかに重点を置くようになります。
これが売り込む営業です。
この売り込む営業スタイルは、やり続ければある程度売れるには売れるのですが、一方で、世間一般に
『営業=売り込み』
という誤ったイメージを定着させてしまう元凶となりました。
ネットが普及してさらに売れにくい時代に突入しても、この傾向はなかなか変わりません。
ぐりの知る限りでは、『売り込まない営業』という本が出てきたのが、2003年。
今から十数年も前に、売り込まない、という営業スタイルが出てはきていたものの、やはり『営業=売り込み』を払拭するには力及ばず、現在でも一般的ではありません。
ただ、最近では、『売り込まない営業』という言葉を段々と見かけるようになりました。
ぐりもそうでしたが、売り込んでいるのになかなか売れなくて悩んでいる営業たちが、
『売り込むから売れないのでは?』
と気付いて実践したら、
『売り込むより、売り込まない方が売れるじゃないか!』
と思い始めたのだと思います。
インサイト営業のレベルまでいくと、もはや売り込みの要素はないです。そのような営業スタイルが出てきていることが、『売り込む営業から売り込まない営業へ』という時代の流れを表しています。
ただ、もちろん、売り込まないで売るためには、それなりの知識と実践が必要です。
このブログでは、これらをお伝えしていけたらと考えています(^_^)
まとめ
日本の営業の歴史には、
- 御用聞き営業→インサイト営業(顧客の潜在ニーズを探り出し、問題の本質的な解決を提案する営業)
- 売り込む営業→売り込まない営業
という大まかな営業スタイルの移り変わりがある。
営業スタイルの変遷の主な原因は、
- インターネットの普及による『情報の非対称性』の変化
- 需要と供給のバランスの変化
の2つの時代背景。
今回は以上です。
本日もお疲れ様でしたm(__)m
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そして、これらを元にして、今後も”個人”が”負けずに”(=仕事を奪われずに)生き残る人生戦略を発信しています。