営業・販売で人間の欲求をどう使う?マズローの『欲求の階層』の理論をストーリーと具体例で徹底解説!

営業や販売で人間の欲求をどう使う?マズローさんの『欲求の階層』の理論をストーリーと具体例で徹底解説!
ぐり
こんにちは!
新人営業の頃に人間の欲求なんて
全く考えてなかった
ぐり (@guri_makenai) です^ ^

お客さんの欲求を理解し、
適切な商品を売ることが、
営業の基本的な役割です。

参考:初めから知っておきたかった!
営業初心者の不安をやわらげる3つのコツ

そのため、営業は、
お客さんの欲求を理解する必要があります。

とは言っても、

欲求とか顧客心理とか言われても
一体何をすればいいのさ?

そもそも人間の欲求に
どんな種類があるのか分からん

と思う方もいらっしゃるでしょう。

そこで今回は、

  • 『欲求の階層』の理論(欲求階層論)
    • 5つの基本的欲求
    • 基本的欲求の特徴
  • どうやって営業・販売に活かすのか?
    • 基本的欲求を刺激する

などを解説していきます。

マズロー?今さらだな

と思う人もいるかもしれません。

確かに、超有名な心理学なので、
今さら感は否めないです。

でも、
これを営業・販売に活かせている人は、
ほぼいないと思います。

実はこれめっちゃ使えるんですよ(T_T)

『基本的欲求』とは?

マズローさんのことは
ウィキに任せることにして、
早速、要点を絞って書いていきます。

なお、よく使われる”5段階欲求”は、
マズローさんの言葉ではないそうです。

よくあるピラミッドの図も、
マズローさんが考えたものではないそう…

それはさておき。

マズローさんによると、
人が何かに動機づけられて行動するのは、
無意識的な欲求があるからです。

では、どんな欲求があるのか?

それが『基本的欲求』です。

基本的欲求は、

  • 生理的欲求
  • 安全の欲求
  • 所属と愛の欲求
  • 承認の欲求
  • 自己実現の欲求

の5つに分類されます。

イメージがしやすいように、
欲求に沿った商品や具体例をあげます。

①生理的欲求

生命維持に密接に関連する欲求です。

  • 食欲
  • 性欲
  • 睡眠欲
  • 生存欲(死にたくない、長く生きたい)

などです。

水を飲みたいなど、
比較的イメージのしやすい欲求です。

②安全の欲求

  • 身体の安全
  • 身分の安定
  • 不安や混乱からの自由
  • 秩序を維持するためのルールを欲する

などです。

【身体の安全の具体例】

  • 一軒屋、マンションなどの住居(商品)

→外の世界とは隔絶された空間により、
知らない人や害虫などから身を守る
(商品価値、ベネフィット。後述)

  • SECOM(セコム)、ALSOK(アルソック)などのホームセキュリティーサービス、オートロックサービス(商品)

身を守る住居の価値の強化(商品価値)

  • ヘルメットや防災ずきん(商品)

事故や災害時に危険から頭を守る
(商品価値)

【身分の安定の具体例】

  • 安定した職に就きたい
  • クビになりたくない
  • 仕事を奪われたくない
  • 正社員として居続けたい

など。

これらは、経済的な不安定からの自由
という欲求とも密接に関連しています。

【不安からの自由の具体例】

  • 母親が周りにいない事に気付き、
    赤ちゃんや幼児が泣き出す

愛着のある人物と離れることによる不安
(赤ちゃんや幼児にとっては、
何もできない自分を守ってくれる、
唯一の存在が居なくなるというニュアンス。
心理学では、分離不安といいます)

③所属と愛の欲求

人は孤独を感じると、
誰かと一緒に居たいと感じます。

浅い関係であれ、深い関係であれ、

  • 誰かがいるコミュニティーに属したい

と考えるのです(所属の欲求)。

また、所属したコミュニティーの中で、

  • 好意を持たれたい愛されたい
  • コミュニティーの他のメンバーの事を
    大事にしたい守りたい

と感じます(愛の欲求)。

【コミュニティーの具体例】

  • 恋人
  • 家族
  • 会社の同僚
  • 同じ地域、国にいる住民
  • 小学校や中学校などの同窓
  • ツイッター、フェイスブック、
    インスタグラム、ショウルームなど
    同じサービスを使っているユーザー同士

④承認の欲求

マズローさんによると、大きく分けて2つの承認欲求があります。

1つが、他人から認められたい、という承認欲求です。

  • 他人からの評価、評判を高めたい
  • 出世して周囲から認められたい

などです。

人目を気にしてしまうのは、
この欲求があるからです。

もう1つが、自分で自分を認めたい、という承認欲求です。

  • 自信をつけたい
  • 強い自分になりたい
  • 価値のある人間になりたい

など『自尊心』を持とう、保とう
とする欲求です。

マズローさんによると、
自分で自分を認めたいという承認欲求は、
他人からの承認欲求より高次の欲求です。

⑤自己実現の欲求

①生理、②安全、③所属、愛、④承認
の欲求を十分に満たしても、

人は自分に相応しい事をしない限り
不満が出てくるものだ、

とマズローさんは考えました。

自分自身、最高に平穏であろうとするなら、音楽家は音楽をつくり、美術家は絵を描き、詩人は詩を書いていなければならない。

人は、自分がなりうるものにならなければならない。

人は、自分自身の本性に忠実でなければならない。

このような欲求を、自己実現の欲求と呼ぶことができるであろう。

出典:アブラハム・マズロー『人間性の心理学

自分らしくあろうとする欲求
それが自己実現の欲求です。

この欲求には際限がないため、
生涯消えることはありません

【各段階の欲求を疑似体験!?:会社が倒産!ホームレスから成功者になるまでの営業ストーリー】

近年の不景気ぶりは凄まじい。

勤めていた会社が突如として倒産。
あなたは、ホームレスになってしまった。

頼りになる友人や身内はおらず、
次の就職先も見つからないまま
ただ時間だけが過ぎていく。

所持金も300円しかなく、
毎日空き缶拾いで少ない収入を得ながら、
ボランティアが運営する炊き出しで
何とか食いつないでいる状態だ
生理欲求のみの充足)。

とある日。

新宿の公園で空き缶を拾っていると、
小学校時代の友人と鉢合わせた。

自分のみすぼらしさに恥ずかしさを感じ、
逃げるようにしてその場を去ろうとすると、
友人は真剣な顔で

「うちの会社で働かないか?
起業して今は会社を経営しているんだ。
寮もあるから、そこも使うと良い」

と言ってくれた。

目から涙が溢れた。

どうせこのまま
一生を過ごすのだと
くさりかけていた。

どん底の中での偶然。まさに救世主だ。

その救いの手に手を重ねると、
その日のうちに寮に案内され、
久々の入浴と室内で布団に入れる幸せに
心が打ち震えた(安全欲求の充足)。

5万円のお恵みをもらい、その1週間後、
友人の会社で働き始めることになった
所属欲求の充足)。

友人と話し合った結果、
営業部に配属されることになった。

これといったスキルはなかったが、
前の会社でも営業だったので
特に抵抗はなかった。

ただ、1つ不安だったのは、
商品が1戸建ての住宅だったことだ。

最低でも2千万円を超える価格だったため、
果たして売れるのか心配だったのだ。

そして、そんな不安は見事に的中する。

仕事を始めて半年が経っても、
なかなかお客さんに取り合ってもらえず、
いまだに売上はゼロ円だ。

人生のどん底からすくい上げてもらった
恩を仇で返すわけにはいかない。

そんな気持ちで、毎日、
100件の飛び込み営業をこなしていたが、
結果が全くついてこなかったのだ。

一方で、こんな成績とは裏腹に、
社内でのあなたの評価は上々だ。

周りの人への気遣いを忘れずに、
率先して雑用などの面倒なことも引き受けた。

それに、結果は出ていないとしても、
あなたが頑張っていることは
周囲からは一目瞭然だったからだ。

ただ、そんな周囲からの好評価が、
逆にあなたの心を苦しめる。

会社の人たちは本当に良い人たちだ。
自分は周りの人たちに恵まれている。

こんな自分に優しく、
好意を持って接してくれる。

にもかかわらず、結果を出せずに、
会社のお荷物になっている自分が
心底情けない。

売上を立てて、
会社や同僚たちの生活を守るのが
営業である自分の仕事ではないか。

ここで結果を出せないでどうする。

この日からあなたは、
色んな本やWeb上の情報、
セミナーなど情報をかき集め、
営業やマーケティングの知識を入れて
実戦経験をひたすら積むことになる。

営業時間外は知識を徹底的に
インプットする時間とし、
営業時間内は知識を実践する
本番と位置付けた。

その効果は、
1年後にようやく現れ始めた。

3ヶ月に1契約が、2ヶ月に1契約となり、
今は1ヶ月で2契約を取れるようになった。

社内では現在トップの成績で、
今年はこのまま行けば
トップセールスになるだろう。

ようやくこれで周囲の人たちに
恩返しができたと思った。

自分が立てた売上で
会社や同僚の生活を守ることができると
愛の欲求の充足)。

また、
膨大な量の勉強と実践をこなして、
“自分には能力がある”と
自信を持つことができた(自尊心の充足)。

同僚たちはずっとあなたの
努力している姿を見てきていたので、
あなたの努力の結果を知って
涙を流して喜んでくれた。

社内では、次の営業部長の最有力候補として、
あなたの評価が名実ともに最高潮に達した
他人からの承認欲求の充足)。

その年はトップセールスとなった。

それから2年後、
あなたは営業部長に任命された。

最初は部下を持つことに
不安とためらいがあったが、
部下からの評価は良かった。

ある部下が

「部長の教え方って
めちゃくちゃわかりやすいです!

大抵の悩みにも応えてくれるし、
僕の営業どこかでこっそり見てたんですか?
って感じです」

と言った。

あなたは、なるほどな、と思った。

営業が経験するであろう、
ありとあらゆる失敗を経験し、
それらを克服して今がある。

苦しみの中で考え抜いて行動してきた。

売上を立てられない部下の気持ちが、
手を取るようにわかるのだ。

そんな部下たちと喜びを分かち合いたい。

いつしかあなたは、
部下への教育に
自分の使命を感じるようになった。

これこそが
自分が一生を捧げるに
ふさわしい仕事だと
自己実現欲求の発見)。

『欲求の階層』の理論の4つの特徴

この理論は引用されることが多いのに、
その特徴はあまり触れられません。

マズローさんによると、
『欲求の階層』の理論には、
次の4つの特徴があります。

❶普遍性(ふへんせい)

基本的欲求は、
全ての人間に備わっています

人種、国、文化には左右されません
(⇔文化相対主義)。

❷階層性(かいそうせい)

各欲求の間では、欲求の優先度が存在し、
優先度を基準として階層を作り上げている
ということです。

優先度というのは、例えば、
砂漠で食料が確保できずに
生死をさまよっている状態で、

みんなから尊敬されたいんだ!

とはなりませんよね?

つまり、生理欲求が緊急性が高く
何よりもまず優先される、という意味です。

ただ、1点気をつけたいのは、
階層の優先度は絶対の基準ではなく、
人によっては入れ替わることのある
相対的なもの
であることです。

例えば、
仕事人間と呼ばれる人は、
家庭での愛よりも、
会社での出世欲(承認欲求)の方が
優先度が高くなっているのかもしれません。

初心者は、以下を飛ばして❸低次から高次へ

【仕事人間の分析:中級者以上向け】

仕事人間→愛と承認欲求が逆転している、
という形で覚えないでください。

この仕事人間の欲求を見抜くには、
なぜそこまで仕事に重きを置くのか?

その理由を考える必要があります。

例えば、仕事をするのは、
家族の生活を守るためであれば、
その人の根本的な欲求は家族への愛です。

仕事はあくまで愛の欲求を満たす手段で、
出世も家族を守るために
目指しているに過ぎないのです。

また、仕事をするのは、
周囲から尊敬されたいからであれば、
その欲求は承認欲求でしょう。

この場合は、家庭での愛よりも
承認欲求が優先されているので、
愛と承認欲求とが逆転しています。

ただ、同様の場合で、
尊敬されたいのもあるけど、
会社に愛着があり、同僚たちには
いつも感謝していてとても大事に思っている

という状況ならばどうでしょうか?

確かに、家庭への愛の欲求は弱いです。

しかし、一方で、
会社というコミュニティへの愛が強いのです。

この状況だと、
愛の欲求と承認欲求とを同時に
目指しているような形になっており、
逆転しているわけではありません。

その仕事人間としては、
欲求を階層順に満たそうとしている状況です。

では、どういうことなのか?

コミュニティー間に優劣が存在し
この仕事人間は、家族より
会社というコミュニティーでの愛を欲している
のだと思います。

例えば、こんな状況が考えられます。

仕事が終わって家に帰っても、
その家に自分の居場所がない状況です。

家に帰っても楽しくない、
むしろ色々やってとせがまれ、
挙げ句の果てに口論にまで発展してしまう。

よく新橋のサラリーマンのインタビューが
テレビで流れていますが、

新橋のサラリーマンが家に帰りたくない時、
どんな理由であれ、

家に居場所がないことが、
家を、家族を、遠ざける理由に
なっているのではないでしょうか?

だから家より、会社を、仕事を、
優先する人が出てくるのかもしれません。

❸低次から高次へ(ていじからこうじへ)

低次の欲求が『ある程度』満たされると、
高次の欲求が出てきます。

この『ある程度』というのがミソで、
低次の欲求が100%満たされないと
次の欲求が出てこない

というわけではありません。

❹心理的健康度との比例性

基本的欲求を下から満たしていくことが、
心理的な健康度を高めることにもなる
ということです。

基本的欲求がどの程度満足されたかということが、心理的健康の程度と正の相関関係を持っていると思われる。

出典:アブラハム・マズロー『人間性の心理学

上の事例では、

ホームレス生活で何とか生き延びている状態
(生理的欲求のみ充足)より、

住居を確保できた状態(安全欲求の充足)
の方が、

明らかに心が安らかで
満たされた状態ですよね?

そこから会社に就職して仲間を得て
(所属欲求の充足)、

同僚との絆を相互に築き(愛の欲求の充足)、

周囲からの尊敬と自分への自信を得て
(承認欲求の充足)、

部下への教育に力を注いでいく
(自己実現欲求の追求)、

これらの過程でも同様です。

より高次の欲求を満たしていくにつれて、
心が満たされた状態になっていくのです。

営業・販売で基本的欲求をどう使う?

結論としては、
基本的欲求を刺激するような
言葉やイメージを使います

イメージは、画像とか動画の事です。

この辺りは、できているようで、
できていない人がいるのですが、
できない理由は、

  • 基本的欲求を知らない、覚えてない
  • ベネフィットを知らない
  • 知ってても、考える訓練をしない

です。

基本的欲求については、
この記事で解説したので覚えて下さい。

ベネフィットについては、
商品のスペックや特徴ではなく、
お客さんにとっての価値
言葉にすべきという事です。

そして、
ベネフィットを言葉にした時に、
それが基本的欲求に基づくものかを
確認して欲しいのです。

参考:営業で商品知識よりも大切なこと

最後の”知ってても考える訓練をしない”は、
実はもっとも強調したい部分で、
学んだ知識を使わない人が多すぎます

5つの基本的欲求も、
一種のフレームワークなので、
単に覚えるだけでなく、
具体的な現実の事例を当てはめてみて、
自分なりの概念の枠組みを構築すべきです。

現実の事例(具体)

⇅⇅⇅⇅⇅⇅⇅⇅⇅

言葉、概念(抽象)
フレームワーク

この具体と抽象を行き来する
思考の訓練を繰り返し行う事こそが、
今後も”負けずに”生き残る
人材になるために必要な訓練です。

参考:営業でフレームワークを
使いこなしてライバルを圧倒しよう!

まとめ

  • 『基本的欲求』には、
    • ①生理的欲求
    • ②安全の欲求
    • ③所属、愛の欲求
    • ④承認の欲求
    • ⑤自己実現の欲求
      がある
  • 『欲求の階層』の理論には、
    • ❶普遍性
    • ❷階層性
    • ❸低次から高次へ
    • ❹心理的健康度との比例性
      の特徴がある。
  • 基本的欲求を刺激するような
    言葉やイメージを使う

    • 5つの基本的欲求を覚える
    • ベネフィットを理解する
    • 具体と抽象を行き来して、
      思考の訓練をひたすら繰り返す

私の基本的欲求の覚え方は、

  • ①生理
  • ②安全
  • ③所属、愛
  • ④承認
  • ⑤自己実現

の順番で覚えています。

「マズローの欲求は?」と、
いつどんな状況で言われても、
この言葉を3秒〜5秒くらいで暗唱できます
(口がふさがれてない限り^^;)

一生忘れる事はないレベルで覚えています。

あなたもこのレベルで覚えて下さいね!

今回は以上です。

何かわからないことや聞きたいことがあれば、下のコメント欄からどうぞ↓↓↓

本日もお疲れ様でした(^_^)

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